こんな疑問を解決します。
実際行う時には、いくつかステップがあるので、各ステップごとにまとめてみました。
この記事を読むことで、あけ移しのおしごとの概要を理解するだけでなく、おうちモンテッソーリで実際に行う方法も知ることができます。
✔この記事の内容
✔ あけ移しのおしごとの概要・教育効果
✔ あけ移しのおしごとのステップ
✔ あけ移しのおしごとに必要なもの
モンテッソーリの「あけ移し」のおしごと
モンテッソーリの「あけ移し」のおしごとが何なのか、どんな効果があるかについて概要をまとめました。
「あけ移し」とは?
「あけ移し」は、モンテッソーリ教育の「日常生活の練習」の一つで、3本指(親指、人差し指、中指)を鍛えるおしごとです。
マリア・モンテッソーリは、親指、人差し指、中指の3本指を「突出した脳」と称し、その重要性を100年以上前に指摘しています。
藤崎達宏著『0~3歳までの実践版モンテッソーリ教育で才能をぐんぐん伸ばす!』より引用
「あけ移し」の知育効果
✔ 自分の意志で動かせる筋肉・随意筋を鍛えられる
✔ お箸や鉛筆を使えるようになる
指先を上手に使うためには、自分の意志で動かせる随意筋(ずいいきん)という筋肉を、動かせるようになる必要があります。
「あけ移し」のおしごとは、この随意筋を鍛える練習にもなるので、繰り返し練習するたびに、随意筋を鍛えることができます。
モンテッソーリの「あけ移し」に用意するもの
「あけ移し」をするために、必要なもの・道具などをまとめました。
①あけ移すもの(お水、お米、豆など)
まずは、あけ移すもの(お水、お米、豆など)を用意します。
最初は力のコントロールがうまく出来ずに、床にこぼしてしまうことが多いので、米などの細かいものではなく、小豆などの豆を移すことから始めてみます。
徐々にできるようになったら、ピッチャーでお水をあけ移してみると、あけ移す時の物が移る感覚が掴めていきます。
お水を掬って注ぐ動作はよく夢中になり、1時間以上やり続けることもあります!
②あけ移す道具(ピッチャー、スプーン、トングなど)
お水や豆などをあけ移すための道具は、主にピッチャー、レードル、スプーン、トング、ピンセットを使います。
難易度は、ピッチャーやレードル・スプーンのほうが低く、トングやピンセットになると3本指で摘む必要があるため、難易度が高くなっていきます。
最初は、ピッチャーやレードルなどで、あけ移す感覚を掴み、少しずつステップアップして、トングなど3本指で掴んで移す練習に移行します。
モンテッソーリの「あけ移し」のおしごとのステップ
「あけ移し」をどのように始めるかや、徐々にステップアップする方法についてまとめます。
ステップ1 ピッチャーを使ったあけ移し
やり方
- 写真では、片方ボウルになっていますが、ピッチャーを2つ用意します。
- 片方のピッチャーに水を入れ、もう片方のピッチャーに注ぎます。
- 最初は溢れることもあるので、そばに雑巾やタオルを用意するといいです。
- やりながら溢さないように量を調節して注げるようになるので、こぼしても怒らず見守ります。
- 難しそうなら、お水の代わりに豆を使ってもいいです。
ちょっとステップアップ
こぼさずに注げるようになったら、ピッチャーに油性ペンやテープなどで目印をつけ、そこまで注ぐよう伝えて、注ぐ量を調節する練習もできます。
ピッチャーでのあけ移しができれば、日常生活でもお茶やジュースを注げるようになるので、まずはピッチャーで注ぐ力をコントロールする練習がおすすめです。
ステップ2 レードル・スプーンを使ったあけ移し
やり方
- お皿やボウルを2つ用意し、片方に手芸用の毛糸ボールや豆などを入れます。
- スプーンやレードルを使って、もう片方のお皿に溢さず入れられるかチャレンジさせてみます。
- 終わったら、もう一度①からスタートして何回もチャレンジさせてみます。
何回も「自分でできた!」を実感させることが大事なので、集中状態にある時は声をかけずに見守ります
ちょっとアレンジして氷をあけうつし
初夏になって気温があがってきたので、いつもの毛糸ボールではなく、氷をあけ移しの道具に使ってみました。
気温が高くなって氷や水がいつもより気になるようなので、氷をあけ移しの道具にしてみたら、いつもより集中してあけ移しに取り組んでいました。
いつもは鳴らない音(氷がガラスに当たる音)も、夏を感じさせるので、季節感覚を養えるかなと思います。
ステップ3 トング・ピンセットを使ったあけ移し
やり方
- STEP2と同じ様に、お皿やボウルを2つ用意し、片方に手芸用の毛糸ボールや豆などを入れます。
- トングを使って、もう片方のお皿に、ボールを移せるかチャレンジします。
- 慣れてきたら、トングをピンセットにしたり、つかみやすい毛糸ボールではなく、小さいビーズなど掴みづらいものに変えて難易度をあげます。
ちょっとステップアップして色分けも同時に
お皿からお皿へ、トングでボールのあけ移しができるようになったので、写真のように複数の色のボールとカップを用意してみました。
あけ移しと色分けを同時にチャレンジできるので、さらに難易度があがります。
色分けについては、詳しくはこちらの記事でまとめています。
まとめ
今回ご紹介した手順で、少しずつあけ移しを練習すれば、日常生活でも液体をコップに注いだり、お箸や鉛筆を持つ練習もできます。
溢すことを見越して、最初からそばに雑巾を置いておくことで『雑巾で拭くおしごと』もできます。
失敗した時は、どのように訂正するのかを示してあげると、子どもは自分で学び取っていきます。
「あけ移し」をするために必要なものは、家にあるものや100均ですぐに手に入るものばかりです。
ぜひお箸を持つ練習を始める前に、お子さんとやってみてください。